会長挨拶

日本産業経済学会会長 石井 泰幸

日本産業経済学会は1973(昭和48)年9月、名古屋において「中部産業経済学会」とし
て設立されました。当初は中部・東海地域を中心に活動しておりましたが、1993(平成
5)年、設立20周年を契機に「日本産業経済学会」と名称を改め、活動は全国へと広がっ
てまいりました。

本学会における研究発表は、経済・経営・マーケティング・会計といった企業経営の中
核をなす領域が中心です。第二次世界大戦後、わが国が奇跡的な復興を遂げ、世界経済の
主要な舞台に立つようになった今日、これらの研究領域を通じて企業経営の本質を探究す
ることは極めて重要であります。

現在の日本産業経済学会は、研究者だけでなく実務に携わる方々も参加され、理論と実
践の往復を通じた活発な交流が行われています。市場という現場で日々試される諸課題を
踏まえれば、こうした相互のフィードバックは不可欠です。近年の研究動向として実証分
析の比重が高まっておりますが、本学会では実証の潮流を意識しつつも、理論研究を軽視
することなく、両者の可能性を幅広く検討しています。

また若手研究者の育成にも力を入れており、発表や討論の場として本学会を活用いただ
いております。こうした取り組みを通じ、次代を担う研究者が成長していくことを期待し
ております。 さらに2016(平成28)年度以降は、地域振興や社会貢献の視点からの研究
にも重点を置き、学術研究と社会の架け橋となることを目指しております。

本学会は今後とも、学術研究の発展とともに、実務家の皆様にとっても経営や実務を高
める場となるよう活動してまいります。会員の皆様をはじめ関係各位におかれましては、
引き続きご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2025年(令和7年)4月1日