会長挨拶

日本産業経済学会会長 村橋 剛史

日本産業経済学会は、前身の中部産業経済学会時代から数えて来年で50周年を迎えます。中部産業経済学会は、1973(昭和48)年9月に名古屋で設立され、中部・東海地域を中心に活動してきました。この期間での代表的な研究成果は、①会員10名の共著による『東海の中小小売業問題‐近代化への胎動と課題』昭森社、1985(昭和60)年5月刊、②会員8名の共著による『円高デフレ下の東海経済‐その沿革と実態と課題』中部産業経済学会編、1987(昭和62)年9月刊があります。

その後、会員が全国に広がり活動の場が中部・東海地域を超えて全国的規模となったため、創立20周年の1993(平成5)年4月に「日本産業経済学会」と名称を変更しました。また、学会誌『産業経済研究』は2001(平成3)年からISSN(International Standard Serial Number:国際標準逐次刊行物番号)を取得し、リニューアル発刊しました。現在では、所属会員による研究成果をまとめた査読付き論文集として毎年刊行しております。

本学会は大学の研究者だけでなく、企業の実務家など多様な会員が所属しています。このような特色のもと、幅広い視点から経済学・産業論・マーケティング論・経営学・商学・会計学・法学・情報論等、産業・経済の社会現象を解明し、質の高い考察を行い、産業・経済の発展に貢献することをめざしています。2010(平成22)年7月には日本学術会議協力学術研究団体に認められ、2015年11月には経営関連学会協議会への所属が認められました。

研究部会・全国大会は、会員が研究を報告し、さまざまな意見を交換することによって、研究・教育における情報を提供・共有しあう場として活用されています。当学会による研究成果が評価され、これまでに多くの人材が全国の大学及び研究・教育機関に着任しています。現在の会員数は150名を超える規模に至っております。

本学会は、学術研究の場として切磋琢磨の研究活動にご賛同いただける研究者・実務家の入会を促進し、さらに質の高い学会となるべく運営を力強く進めてまいります。本学会の趣旨にご賛同いただける先生方の入会をお待ちしております。2016(平成28)年度からは、特に地域振興、地域貢献の視点を大切にして、活動を行っています。学会内外における関係者の皆様におかれましては、本学会へのご理解とご協力を引き続きお願い申し上げます。

2022年(令和4年)4月1日